水道光熱費、月30,000円システムで運用したら8ヶ月で78,823円のへそくりができた話

固定費・節約術

1. なぜ「平均」ではなく「枠」で考えたか

貯金ができない人間がまずやるべきことは、給料日に貯金額を先に引いて、残りを生活費にすることだ。これは今さら目新しい話じゃない。

ただ、この発想が使われるのはだいたい固定費までだ。家賃、保険、サブスク。変動費である水道光熱費にまで、この「先取り」のロジックを持ち込んでいる人間はあまり見たことがない。

理由は単純で、変動費は「いくらかかるか読めない」からだ。読めないものを先に確保するのは怖い。

だが、読めないなら読めないなりに、上限を決めてしまえばいい。それだけの話だ。

2. 仕組み:Wallet+の「水道光熱費貯金」

やっていることは単純だ。

  • Wallet+の目的貯金に「水道光熱費貯金」という項目を作る
  • 給料日に即、30,000円をそこへ移す
  • 引き落とし前に、必要な分だけ口座へ戻す
  • 安く済んだ月の余りは使わない。使わずに、そのままプールしておく

これだけ。ルールと呼ぶほどのものでもない。

重要なのは「安く済んだら浮いた分で何か美味いものでも食うか」にしなかったことだ。浮いた分は、高騰する月への備えとして、プールに残したままにしてある。

これはドルコスト平均法と同じ構造だ。相場が安い時に多く買い、高い時に備えを取り崩す。水道光熱費でも、同じことをやっているに過ぎない。

30,000円という数字も、当てずっぽうで決めたわけじゃない。夏は冷房、冬は暖房で必ず跳ねることは最初からわかっている。だから月ごとの実額に合わせるのではなく、季節による増減を吸収できる余裕を持たせた金額を、あらかじめ枠として設定した。安い月は勝手に余り、高い月は勝手に吸収される。それだけの設計だ。

しかも、これは単月や1シーズンで帳尻を合わせる設計じゃない。1年という長期スパンで見て、トータルで収まればいいという前提で組んでいる。だから12月に枠を超えても慌てない。年間を通して見た時に、余剰側に着地していればそれでいい。

3. 実績データ:11月〜6月の8ヶ月

数字を出す。ごまかしはしない。

先に断っておくと、これは夫婦2人とトイプードル1匹という世帯構成での実績だ。単身世帯や、子育て中の家庭とは条件が違う。数字そのものを鵜呑みにするのではなく、「枠で管理する」という仕組みの部分だけ持ち帰ってもらえればいい。

電気代ガス代水道代合計
11月8,152円9,472円2,678円20,302円
12月14,241円10,654円4,240円29,135円
1月8,680円10,194円3,459円22,333円
2月8,161円9,876円2,392円20,429円
3月9,943円7,790円2,876円20,609円
4月7,463円5,317円2,975円15,755円
5月7,344円4,924円2,876円15,144円
6月10,421円4,049円3,000円(概算)17,470円

8ヶ月の合計は161,177円。月平均にすると20,147円だ。

枠は30,000円×8ヶ月=240,000円。実際にかかったのは161,177円。差し引き 78,823円が余剰 として残っている計算になる。

最高月は12月の29,135円、最低月は5月の15,144円。差は13,991円あるが、最高月でも30,000円の枠には収まっている。この振れ幅を吸収できるだけの余裕を持たせたのが、30,000円という数字の根拠だ。

4. 正直な注記:灯油代は別会計だった

ここからが本題だ。

今回の161,177円には、灯油代は一切含まれていない。真冬でも電気代が抑えられていたのは、暖房を一本化せず使い分けていたからだ。就寝時から朝までは、エアコン暖房。起床後から出勤までの1.5時間と、帰宅後から就寝までの5時間は、石油ストーブに切り替える。

この使い分けで電気代を月5,000円ほど下げた話は、こちらの記事に書いた。

ただし、電気代が下がった分だけ、灯油代というコストが別に発生している。12月から3月にかけて、灯油は合計140リットル、14,980円かかっている。

つまり今回の余剰78,823円は、あくまで水道光熱費だけの数字だ。灯油代を含めた「本当のコスト」は、この二つを合算して初めて見えてくる。ここを隠して「浮きました」とだけ書くのは、正直な記事のやり方ではない。

5. 制度の見直し:次の冬から灯油も統合する

この灯油代を、来シーズンからは同じ「水道光熱費貯金」の枠に統合することにした。

  • 12月〜3月の灯油代は、15,000円を目安に設定
  • 11月末時点で、この貯金プールに20,000円の余剰を残しておくことをルールにする

なぜ20,000円なのか。逆算すればわかる。

現時点(6月末)の余剰は78,823円。11月末の目標は20,000円。差額は58,823円。これを7月から10月までの4ヶ月で使い切っていい額と考えると、月あたり14,706円まで枠を超えても問題ない計算になる。

つまり夏場は、月44,706円までなら想定内。それを超えたら、11月末の目標に赤信号が灯る。数字にしてしまえば、漠然とした「夏は電気代が怖い」が、具体的な合格ラインに変わる。

6. へそくり製造システム

ここまで真面目に数字を並べてきたが、結局のところこれは節約の話じゃない。

30,000円という枠は上限であって、下回った分がどこかに消えるわけじゃない。全部このプールに残る。

つまりこれは、節約システムじゃない。俺専用の、へそくり製造装置だ。余剰を残せば残しただけ、それがそのまま自分の取り分になっていく。真面目な家計管理の顔をして、実は一番得をしているのは自分自身、というだけの話だ。


まとめ

  • 水道光熱費を「平均」ではなく「枠」で管理すると、余剰が生まれる
  • 8ヶ月で78,823円。ただしこれは灯油代を除いた数字
  • 灯油代を含めた本当のコスト構造まで公開してこそ、意味のある記録になる
  • 次の冬からは灯油も同じ枠に統合し、11月末に20,000円の余剰を残す運用に変更する

このシステムを始めたのは去年の11月からだ。だから今回の記事は、1月始まりでも4月始まりでもない、切りの悪いタイミングでの集計になっている。今年12月分の水道光熱暖房費が出たら、そこで丸1年分のデータが揃う。その時点で、1年間通しての集計を追記する。

固定費の見直しから、資産形成、暗号資産まで。50代からの「仕組み」作りについては、まとめページにまとめている。

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