#00 積みプラ哲学――それ、処分しようかと思ってさ。

積みプラ哲学

俺が最後にガンプラを組んだのは、たぶん高3の冬。
シャーペンでスミ入れして、ニッパーで切って、組んでは眺めて、分解して塗り直して――そんな時間が、確かにあった。

けど、バイクの免許を取ったあたりから、俺の部屋には工具よりもエンジンの音が似合うようになって、
いつの間にか“ガンプラの棚”は、開店休業になってた。


子育ても落ち着いて、最近はアウトドアを再開していた俺の元に、
ある日、はるんちゅからの連絡が入った。

「ねえ、弟の遺品整理してたら、ガンプラ出てきたんだけど――いる?」

最初は冗談かと思った。
はるんちゅにガンダムの影すら感じたことがなかったからだ。

でも、弟はガノタだったらしく、結構な量のプラモを持っていたらしい。
で、「ファントムってガンダム好きだったよね?」と思い出してくれたらしい。

「興味ないから処分する予定だったけど、欲しいなら送るよ」
「マジで?……預かるよ、責任もって」

そんなやり取りのあと、ウチに届いた段ボールは──宝箱だった。


MG、Ver.Ka、限定クリア、MODEROID…
俺が見たことないような機体も混じっていて、胸がざわついた。

そしてその中にあったのが──


🔴最初に目が合ったのは「シャア専用ズゴック(MG・30周年記念クリア外装付き)」

すでに頭部は組まれていた。
透明な外装パーツ越しにのぞく内部フレーム。
ずっと時が止まっていたのに、まるで俺を待っていたような存在感だった。

「よう、また会えたな」

心の中で、赤い彗星が微笑んだ気がした。


📦今回、俺の元に届いた“遺されたプラモたち”

  • MG シャア専用ズゴック(30周年記念クリア外装付き)
  • MG V2アサルトバスター Ver.Ka
  • MG V2用 Wings of Light 拡張ユニット
  • MG ガンダムエピオン EW(Frozen Teardropブック付き特装版)
  • MODEROID TYPE-J9 グリフォン(フライト&アクアユニットセット)
  • MODEROID AV-0 ピースメーカー

積みプラなのに、どれも「ただの在庫」じゃない。
1つひとつに意味がある。背景がある。時間が積もっている。


📚今後の展開予定

このシリーズでは、これらのキットを1つずつ、じっくりと完成させていく過程を記録していく。

  • なぜ積んだのか
  • どうして今、組むのか
  • 組むたびに湧き上がる「感情と記憶」

そのすべてを、**“積みプラ哲学”**として書き残す。


▶️次回:

#01 積みプラは、俺の“過去”じゃない――“まだ届いていない未来”だ

初回は、シャア専用ズゴックから。
“30周年のクリアパーツ”に込められた時間と、再始動のきっかけを語る。

一覧はここ → 「積みプラ哲学 〜俺たちは、なぜ積むのか?〜」

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