第6話「焚き火裁判とLOGの審問」
「これはただの火ではありません。
心火(しんか)です」プーさんおじさんは、裁判所の中央で静かにそう語った。
手には一本の薪。
それは、ただの薪――のはずだった。
⚖️ カリカリ、ついに公判へ
政府主導の“薪使用規制強化法”によって、FLL構成員であるカリカリは「無許可焚き火実行」の罪で逮捕・起訴された。
審理は“薪識別法”の施行第1号案件として、国民的注目を浴びていた。
検察官「これは危険な思想です。“火を自由に使っていい”などという考えは、秩序を乱す!」
弁護人「彼は、ただ美味い焼きおにぎりを焼きたかっただけです」
傍聴席「…泣ける」
🪵 証拠品は一本の薪
裁判に提出された証拠は、カリカリが使っていた白樺薪の燃え残り。
しかし、その薪には通常ではあり得ない現象が記録されていた。
- 燃焼時の音に、リズムが存在
- 火の揺らぎパターンがモールス信号と一致
- 焚火通貨「LOG」の記録と連動するログタイム
裁判官は混乱した。
裁判官「これは……情報伝達薪だと?」
プーさんおじさん「はい。“語る薪”です」
🔥プーさんおじさん、証言台へ
弁護側証人として登場したのは、焚き火の男――薪王プーさんおじさん。
「この薪は、影薪の“なりかけ”です」
「心を持って焚べられた薪は、時に語る。想いを届けるために、火は姿を変える」
裁判所内に緊張が走る。
そこへ、クロカワ翁からの手紙が提出された。
《火に罪はない。人の心が、薪をどう焚くかだけだ》
🌕ラスト:薪王の一撃
閉廷直前、裁判官が尋ねた。
「この焚き火は、自由の象徴なのか?」
プーさんおじさんは答えた。
「いえ、これは――希望です」
判決は翌朝に持ち越された。
🔥次回予告(第7話・最終話)
第7話「最後の炎、そして伝説へ」
判決を待つ夜。プーさんおじさんは、あの森へと向かう。
そこには再び灯された“無許可の焚き火”があった。
最後に火を囲むのは誰か。そして伝説は、次代へと受け継がれる。
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