🔥妄想短編小説:プーさんおじさん 薪王になるEpisode4

妄想短編小説

第4話「焚き火会議と三種の神器」


火の揺らぎは、真実を映す鏡だった。
だから俺たちは、嘘をつけない。
そして今日もまた――火の前に人が集まる


🔥FLL最高会議「炎の夜会」

プーさんおじさんは、森の奥にある廃キャンプ場へ足を踏み入れた。
そこは、かつて“焚き火の自由”が保証されていた聖地だった。
今夜、その廃地に再び火が灯る。

「ログ確認完了、カタログからの招待暗号を照合──入場を許可します」

焚き火ラバーズ(FLL)の幹部たちが、焚き火を囲んで静かに座っている。
各自の前には、それぞれ自慢の薪が並べられていた。


🌲三種の神器とは何か?

「今、我々の手元にあるのは――白樺、楢(なら)、そして桜薪」

この3つが「三種の薪神器」と呼ばれている。
しかし、プーさんおじさんは口を開いた。

「違う。最後の一本が抜けている」
「それは……“影薪(かげまき)”だ」

影薪とは、燃えると音も煙も立てず、ただぬくもりだけを残すと言われる伝説の薪。
その存在を否定する者も多い。

「影薪は“心にある薪”だって話もあるくらいだからな」
「バカバカしい……」
「いや……俺は見たことがある」

議論は紛糾した。そこへ、通信が入る。


🚨政府側の焚き火法改正案が可決へ

「速報です。TFTより正式発表。『焚火識別制度』、明朝より全国実施とのこと」

内容:すべての焚き火行為に「燃焼許可コード(BFC)」が必要
無許可薪は違法、処罰対象

火を囲むには、政府の許可が要る時代が来たのだ。


🧸プーさんおじさん、最後の旅へ

「探す。影薪を」
「お前、何言ってんだ。そんな伝説…」
「……伝説は、自分で燃やすもんだろ?」

誰かが笑った。誰かが泣いた。
火が揺れた。それが答えだった

プーさんおじさんは、帽子を深くかぶり直す。

「カリカリを、そして火を救うために。
――俺は、影薪の在り処を知ってる奴を知ってる」


🔥ラストカット:炎の中に浮かぶ一人の男の影

カメラ越しの視聴者が見たのは、
画面の奥、遠くの山へ向かう一台の軽トラ。

そして、火の中にほんの一瞬だけ浮かび上がった――“薪を抱えた人影”。


🔥次回予告(第5話案)

第5話「影薪の番人
プーさんおじさんは、かつて禁薪処分を受けて消息を絶った伝説の薪職人「クロカワ翁」のもとを訪れる。焚き火と共に生きた男が語る“影薪”の秘密とは――。

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