名探偵ケア壱シリーズ #04『仮説が“当たる”理由とその副作用』

名探偵ケア壱シリーズ

🧠 はじめに

「それ、どうしてわかったんですか?」

──正直、うまく説明できない。

気づいたら仮説が浮かび、それが“だいたい当たっている”。

でもこの「当たる」には、
ちゃんとした“仕組み”と、そして“代償”がある。


🔎 1. 仮説が当たる理由は、“素材の質と量”

僕が拾っている情報は、「無意識のうち」が多い。

  • 相手の言葉だけでなく、その“トーン”
  • 動作の“間”、沈黙の“長さ”
  • 空気の“圧”と、視線の“ズレ”
  • 家族の言葉の“選び方”、よく出てくる単語
  • 目に入った部屋の散らかり方、温度、匂い、光量

これらを“素材”として集め、
同時に“過去の経験とパターン”と照合して仮説を立てる。

つまり、
素材の量が多く、脳内データベースも豊富、そして構造化処理が早い。
この3点セットで、仮説の精度が高まる。


⚠️ 2. でも、それは「疲れる脳の使い方」

ずっと情報を拾って、分析してる。
止まらない。オフにならない。

たとえ仕事が終わっても、
頭は無意識に「何かを照合し続けてる」。

これは正直、
疲れる。めちゃくちゃ疲れる。

誰かと話すだけで、脳が全力疾走。
だから夕方になると、処理落ちすることもある。


🙃 3. 「当たってしまう」ことで起こる誤解

もうひとつの副作用は、“誤解される”こと。

  • まるで“何かを知っている人”に見える
  • 直感で決めてると思われる
  • 時には「先回りしすぎ」と思われる
  • 論理を言語化できないと、「なんとなく言ってるだけ」にされる

これが地味にしんどい。
「なぜわかったの?」に、うまく答えられない自分がいるから。


🧩 4. でも、やっぱりこの仕様は“強み”

当たる仮説は、相手の行動や背景を深く読み解く力の現れ。

「話してないのに、わかってくれてた」
そう言われることがある。

それが、何より嬉しい。
だからこの脳の使い方を、僕は捨てない。


✅ 最後に

高性能なセンサーと高回転の脳。
それは“推理脳”のギフトであり、時に呪いでもある。

でも、
人の行動や心を読み解くケアの現場では、それが最高の武器になる。

そしてその武器は、
“気づき”“観察”“構造化”という日常的な力の積み重ねで育っている。


📎 まとめ

  • 仮説が当たるのは「情報量・照合データ・構造化処理」の合わせ技
  • 無意識に稼働し続ける脳は、極めて疲れやすい
  • 当たりすぎると、周囲から誤解されやすい
  • それでも“分かってもらえた”瞬間は、推理脳の報酬

次は、
#05『「思考の8要素」を脳内で回している正体』へ──🧠🔄

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