🧠 はじめに
ある日、訪問先のご家族がこう言った。
「最近、うちの母がご飯をよく残すんです。」
ふむ。…ただの食欲低下だろうか?
体調?季節?味?量?タイミング?
誰が作ってる?誰と食べてる?
冷蔵庫の中身は?食器の変化は?雰囲気は?
…頭の中が、フル回転を始める。
🧩 1. 仮説の入口は「違和感」
違和感を感じたら、まず“素材集め”が始まる。
感覚的に拾っている情報は、実はこういうもの:
- 環境(部屋の照明・室温・音・匂い)
- 本人の動き(表情・歩き方・目線・間)
- ご家族の言葉(トーン・言い回し・話題の選び方)
- 前回との違い(予定とズレていないか)
このバラバラの情報たちが、僕の頭の中に“浮かぶ”。
🧠 2. 並列処理と立体構造
それらを、一列に並べるのではなく、立体的に組み上げていく。
仮説とは、脳の中で生まれる“構造物”に近い。
例えば:
●仮説A:食べる場所が変わって、光の反射が気になる?
●仮説B:義娘との関係性の影響で食欲が落ちてる?
●仮説C:冷え性のため、部屋が寒くて代謝が下がってる? etc・・・
──この時、どれか一つに飛びつかないのがポイント。
全部、同時に持ちながら進む。
“選択肢を捨てずに保留できる”のも、この脳のクセ。
🧩 3. 構造化とは「関係性を見抜く」こと
単なる情報ではなく、
- 「どの情報が“因果”に近いか?」
- 「どれが“背景”で、どれが“引き金”か?」
- 「どの順番で見ていくべきか?」
という“優先順位”と“関係性”を見極めて、脳内で結びつけていく。
まるで、事件の相関図を作る探偵のように──。
🔍 4. 「仮説が浮かぶ」=「構造がつながった」
仮説とは、“直感”ではない。
実は、構造化が完了した結果として浮かんでいる。
- 違和感というサイン
→ 情報の収集
→ 仮説の立案(複数)
→ 優先度と関係性を組み直す
→ 「これかもしれない」と“出てくる”
このプロセスが“無意識に近いスピード”で進むのが、僕の脳の仕様だ。
✅ 最後に
推理脳にとって、仮説は“閃き”じゃない。
日常を舞台にした“思考の積み上げ”だ。
そして、
この「積み上げていくこと」こそ、僕にとっての快感であり、
人の理解に近づく最も誠実なアプローチだと思っている。
📎 まとめ
- 違和感を感じたら、バラバラな情報を自動的に収集
- 脳内では、情報を立体構造として組み立てている
- 仮説とは「構造化が完了したときに浮かぶアウトプット」
- 推理脳の仮説力は、“優先度と関係性”を整理できる力にある
次は、
#04『仮説が“当たる”理由とその副作用』へ──🧠💥
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