名探偵ケア壱シリーズ #02『日常に潜む“謎”と、気づきの快感』

名探偵ケア壱シリーズ

🧠 はじめに

ある日の訪問後、何気ない独り言。

「…あれ、なんか変だな。」

特別なことではない。
誰かが発した一言でも、
本人が何気なくやった行動でもない。

けれどその“ズレ”に、僕の中の「違和感センサー」が反応する。

それはまるで、
「日常に仕掛けられた小さな“謎”」を見つけた瞬間。


👀 1. 違和感は“視点のズレ”で見つかる

  • いつも通りの会話なのに、何かが違う。
  • 挨拶の間が変。
  • お茶を出すタイミングが妙に早い。
  • いつもより目を合わせない。

他の人がスルーするような変化に、
僕はひっかかる。

…まるで、推理小説の1ページ目にある何気ない伏線みたいに。


🧩 2. 情報は“バラバラ”でやってくる

この違和感の原因は、
すぐにはわからない。

だから僕の脳は同時にこんなことを始める:

  • 今日の本人の様子
  • 前回の訪問内容
  • ご家族の近況
  • 最近の薬の変更
  • 室温、匂い、時間帯…

──そう、まるで事件現場に集められた証拠のように、バラバラな情報を拾い始める。


💡 3. 謎を“解こう”とする快感

ここが、僕の脳の“中毒ポイント”。

違和感に気づくと、
無意識に“仮説を立てたくなる”。

そして──
仮説がピタリとハマった瞬間、快感が走る。

  • 「もしかして、寝不足が原因かも」
  • 「環境じゃなく、家族との関係の変化か?」
  • 「これ、軽い中核症状じゃなくて…抑うつかもしれない」

何かが“つながった”とき、
頭の中でパズルがハマる音が聞こえる気がする。


🚪 4. 正解ではないけど、納得ができる

もちろん、僕の仮説がいつも当たるわけじゃない。
でも、「その人をもっと理解しようとする視点」が生まれた時点で、ケアはもう始まっている。

仮説は正解探しじゃない。
その人の“世界”に入るための、扉を開ける鍵だ。


✅ 最後に

気づく、拾う、つなぐ、考える。
この繰り返しが、僕にとっての“日常”になっている。

それを「疲れるよね」と言う人もいる。
けれど僕にとっては、それこそがケアの醍醐味なんだ。

だって──
“謎”があるから、“人間”って面白いんだから。


📎 まとめ

  • 違和感センサーは、細部に宿る“異変”に反応している
  • 拾う情報はバラバラでも、脳内では自動的に関連づけが始まる
  • 仮説を立て、つながる瞬間に快感を覚える脳の仕組み
  • 正解ではなく“納得解”を探すのが、推理型ケアの本質

次は、
#03『バラバラな情報を仮説につなげる脳』へ──🧠📡

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